スペシャル記事
2019-09-27 会社員とヤクザの二重生活にピリオド...ついに抗争の最前線へ! 生き残るのは誰だ!?
サラリーマンとヤクザの地獄の二重生活を送ってきた狛江光雄(ムロツヨシ)。サラリーマン人生の行く末と岩切組 vs 竜崎組の結末は...!?最後に自分を取り戻せるか!?
岩切組と竜崎組の直接対決がついに始まり、狛江(ムロツヨシ)も岩切(古田新太)の舎弟として最前線に! しかし、岩切が竜崎(田中圭)に撃たれ...。
一方で竜崎は、裏でつながっていた青葉銀行の瀬戸川(手塚とおる)と関東ヤクザの藤堂(蟹江アサド)のある秘密を知り、彼らと対立。
狛江のサラリーマン人生の行く末と岩切組 vs 竜崎組 vs 関東ヤクザの結末は一体...!? 不幸のどん底に陥った男は自分を取り戻せるか―!?
出演者
狛江光雄...ムロツヨシ
岩切猛...古田新太
柳直樹...渡辺大知
吉村美月...鈴木愛理
桜井勇一...毎熊克哉
狛江敦子...渡辺真起子
西尾誠次...塚原大助
牛窪克弥...菊池均也
伊丹義三...森羅万象
神野晃...般若
黒田啓二...田本清嵐
めぐみ...森田望智
狛江遥...横山歩夢
瀬戸川達郎...手塚とおる
高峰博之...相島一之
土沼昭吉...笹野高史
麗香...黒木瞳
竜崎剣司...田中圭
【最終話ゲスト】
坊野洋平...阿部進之介
深町智博...木下隆行(TKO)
デキる男...渋川清彦
藤堂薫...蟹江アサド
【原作】
福澤徹三「Iターン」(文春文庫刊)
【脚本】
内田英治
【監督】
内田英治
【オープニング・テーマ】
にゃんぞぬデシ『勘違い心拍数』(三毛猫レコーズ)
【エンディング・テーマ】
竹原ピストル『ON THE ROAD』(SPEEDSTAR RECORDS / ビクターエンタテインメント)
現在、第11話を「ネットもテレ東」で配信中です。
番組情報INFORMATION
2019-08-08 ひねくれ女子と、見ていてムカつく男!? 渡辺大知×鈴木愛理スペシャル対談
日本で一番不幸な男の物語、ドラマ24「Iターン」(毎週金曜 深夜0時12分放送)。会社員とヤクザの二重生活を送ることになった主人公・狛江光雄(ムロツヨシ)を取り巻く、義理と人情を重んじるヤクザの組長・岩切猛(古田新太)、冷徹なインテリヤクザ・竜崎剣司(田中圭)ら濃すぎる登場人物の中、狛江の赴任先の"クセの強い"若手社員2人も注目を集めている。
今回は、やる気がなく定時退社が当たり前の営業・柳直樹役の渡辺大知さんと、仕事も恋も興味がないマイペースな事務・吉村美月役の鈴木愛理さん対談をお届け。個性的な俳優が集結した現場は、まさに"怪獣大戦争"!? 撮影中に垣間見えた以外な素顔から、自らの「Iターン」(自分を取り戻す)体験談など、貴重なお話が飛び出しました。
オールスター勢ぞろいの"怪獣大戦争"!?
──今回の出演オファーを受けた時の感想は?
渡辺「脚本を読んで、奇想天外でありながらも、どこかありえそうな話で、絶妙なファンタジー感が面白いと思いました。登場人物全員がとにかく個性的で、この魅力的なキャラクターを、この役者さんたちが演じたら......。それぞれがバチバチに火花散らして、自分の出したい感じを存分に出したら、すごいことになるんだろうなと。ゴジラやキングギドラら総出演の"怪獣大戦争"みたいな(笑)。脚本を読みながら想像しただけでワクワクしました」
鈴木「私は、お芝居のお話をいただいたこと自体にビックリして、アゴが外れそうになりました(笑)。普段は歌のお仕事しかしていないので、こんなにすごい俳優さんたちの中に入って何ができるんだろうと不安になりましたが、私も25歳になったので、大きなチャンスだと感じて。せっかくお声掛けいただいたので、何もかも捨てる気持ちで思いっ切り飛び込もうと思いました」
渡辺「そのドラマがこれって(笑)。きっと鈴木さんだったらキラキラした恋愛ものとかできるでしょうし、オファーもあるでしょうけど。あえてこの作品を選ぶという鈴木愛理のパンク精神がすごい!(笑)」
鈴木「鈴木愛理も"怪獣"になりに行かなきゃと(笑)」
渡辺「怪獣大戦争に仲間入り(笑)。いや、この作品に鈴木さんを出演させようと思ったマネージャーさんもすごくパンクですよね」
鈴木「見るからにパンクですよ(笑)」
キラキラを消す練習って何!?
──渡辺さんは柳直樹役、鈴木さんは吉村美月役ですが、ご自身が演じたキャラクターについては、どう思いますか?
渡辺「脚本では、柳は無気力でマイペースな、ゆとり感漂う若者像として描かれていたので、やりすぎなぐらいやりすぎてみよう、と。でも、こんな若者って本当にいるよなとリアルに見えたらいいなと思いながら演じました。嘘っぽいのに嘘じゃない感じ。それぐらいの方が狛江さん(ムロツヨシ)を振り回せるんじゃないかなと」
鈴木「美月ちゃんは恋愛にも仕事にも興味がない女の子。監督からは、『普段ステージの上でキラキラとした自分を出す仕事をしていると思うけど、ドラマの撮影期間中はそのキラキラを消す練習をしてから寝てください』と言われて。『キラキラを消す練習って何!?』って思いました(笑)」
渡辺「そんなこと言われていたんだ(笑)」
鈴木「何をやったらいいのか分からなかったので、毎晩寝る前に黙祷していました」
渡辺「それで、キラキラが消えるの?」
鈴木「分かんないけど、キラキラを消そうと思って(笑)」
鈴木はひねくれている!? 渡辺はヒドイ男!?
──今回、初共演ですが、お互いの印象は?
渡辺「鈴木さんは......」
鈴木「今日は、ずっと『鈴木さん』って言ってますよね?(笑)」
渡辺「あっ、じゃあいつものように愛理ちゃんで(笑)。愛理ちゃんはかわいいんですけど、ちょっとひねくれたところもあるんです。普通に言ってしまいそうなセリフを、あえて崩して言っている感じがあって。すごく考えながら、楽しみながらお芝居をしているところが素敵です」
鈴木「ありがとうございます(笑)」
──ひねくれた感じというのは、美月を演じる上で意識していたんですか?
鈴木「美月ちゃんの設定が原作とドラマでは違っていて。脚本の段階では"キラキラ女子"として狛江さんを振り回す感じでしたが、それだと物語の中で一人だけ浮いてしまうということで、撮影初日に"サブカル女子"に変わったんです」
──キャラが180度変わりましたね(笑)
鈴木「そうなんです。現場に入ったらワンピースとか全部なくなっていて、ロックバンドのTシャツとかが置いてあって、『私は何を演じるの!?』って(笑)。どうしたらいいのか分からなくて、渡辺さんに相談したりしました」
渡辺「僕は相談されても、『正直ちょっと分かんないです』としか言えなかったけど(笑)」
鈴木「え~、そんなことないよ。いろいろアドバイスしてくれたじゃないですか。渡辺さんは、こういう感じなんです(笑)」
渡辺「いや、ホントに大したことは言っていないと思うんですよ。ほとんど愛理ちゃんが自分でちゃんと考えていました」
鈴木「そんなことないです。渡辺さんにはいろいろお芝居の話を聞いてもらったので、それを頼りにしながら演じていました」
渡辺「愛理ちゃんは、嘘がなく素直に自分をさらけだせるところがすごい。自分が思ったことや感じたことを直球でやっている感じ。さっき、"ひねくれてる"という言い方をしたけど、"真っ直ぐ"という表現の方がよかったかも」
鈴木「訂正してくれて、ありがとうございます(笑)」
──鈴木さんから見た、渡辺さんの印象は?
鈴木「実は共演する前から無意識に渡辺さんの作品を見ていたんです。もちろん歌のイメージもありましたが、私の中では俳優さんのイメージが強くて。渡辺さんは人間味が深い方ですし、演技にもその感じが出ているなと思います。今回のドラマで一番セリフを交わすことが多かったのですごく刺激になりましたし、周りの方たちからも『ほぼ初めてに近いお芝居の相手が渡辺さんで良かったね』と言われました」
渡辺「今のコメントは世界中の人に聞いてもらいたいです(笑)」
──ちなみに、渡辺さんが出演された作品は何を見たんですか?
鈴木「最近見たのは、テレビ東京さんのドラマ『恋のツキ』です。見ていてムカつく男の人の役でした(笑)」
渡辺「あの時は『女性に対してああいう態度を取ったらダメだよ』って、いろんな人から言われました(笑)」
鈴木「私もテレビに向かって言ってました(笑)」
渡辺「僕は普段あんなヒドイ男じゃないですから(笑)」
鈴木「渡辺さんご自身は違います(笑)。今回現場でお会いした時も、当たり前ですが、『恋のツキ』の役とは全然雰囲気が違っていて。改めて俳優さんってすごいなと思いました」
渡辺が鈴木の秘密を暴露!? 実は家の中で......
──お二人は音楽をやっているという共通点がありますね。
渡辺「今度、愛理ちゃんのライブに行こうと思っているんです。すごく楽しみ。実はこの人、家の中で......」
鈴木「え、ちょっと待って! それ何の話?(笑)」
渡辺「家で歌を録音できるんですよ」
鈴木「なんだ宅録のことか(笑)」
渡辺「そういう機材を揃えて、家で歌っているんですよ」
鈴木「マイクがあるだけで、そんなにすごいものじゃないですから(笑)」
渡辺「家の中にブースというか、歌えるスペースを作って録音したりしているっていう話を聞いていて、本当に歌が好きなんだなと思いました」
鈴木「違うんですよ。歌手活動をしていく中で、『優等生っぽい』とか『安定感がある』と言われることが昔からの悩みで。おそらく、皆さん褒め言葉として言ってくださっているとと思いますが、自分の中ではそう思われるのがすごく嫌で、どうにかしたいなと思っていたんです。そんな時に、渡辺さんの歌を聴いて衝撃を受けました」
──どんな衝撃を!?
鈴木「ドラマの中で渡辺さんふんする柳が歌って、それを聴いた美月ちゃんが泣くというシーンがあるんですが、もうすごいんです。渡辺さんのあの歌を聴いたら自然と涙が出るようになってしまいました。それぐらい歌に力があるというか、言葉のように歌を紡ぐ方だなと。感情の出し方がすごくて、こういうものを私はやってみたかったんだと気付かされました。渡辺さんは、ドラマの打ち上げでカラオケに行った時も、めっちゃ歌ってました(笑)」
──カラオケではどんな曲を?
鈴木「忘れもしません......全開で歌っていた、あの『SWEET MEMORIES』は(笑)。キーも原曲のままでしたからね」
渡辺「愛理ちゃんの中に何かが残っていてくれたら、それだけでうれしいです。ちなみにドラマで歌っている曲は、村下孝蔵さんの『初恋』です」
鈴木「あれは最高です。絶対音源化するべきですよ」
ポジティブ&ネガティブで壁を乗り越える!
──ドラマ24「Iターン」は、"I"(自分を)"ターン"(取り戻す)物語です。お二人は、自分を見失いかけたという経験は? また、そういう時は、どのように自分を取り戻しますか?
鈴木「私は基本的にポジティブな性格。だけど、15年間アイドルをやってきて、2年前、アイドルの卒業と大学の卒業が重なって、今まで自分が積み上げてきたものが一気に全部終わってしまったんです。それからしばらく表立った活動をしていなかった時期はすごく怖かったです。8歳から芸能界にいたので、周りの人たちが活躍している姿を見ていたら地下33階ぐらいまで落ちた気分になって。
でも、その時に『私はこんなに落ち込むことができるんだ。まだまだやれるぞ』と思えたんです。今まで見えてなかった小さな幸せや家族のありがたみ、そして他人と比べてもいいことなんてないと気付きました。自分が落ち込んでいる時は他の人たちが輝いているけど、自分が輝いている時は他の人たちが落ち込んでいるのかもしれない。そういう思考回路が生まれて『落ち込むことも大切なんだな』と考えられるようになりました。落ち込めることも幸せだと思えたら超幸せ! ポジティブなことに変わりはないけど、ネガティブも悪くないなと感じました」
渡辺「視野が広がったんだね」
鈴木「電線に止まっているスズメは、めっちゃ頑張ってるなって思えたりするんです」
渡辺「素晴らしい! 愛理ちゃんのエピソードだけでいいんじゃないですか(笑)」
──いえ、ぜひ渡辺さんのエピソードもお願いします!
渡辺「僕は壁にぶち当たってばかりなんですよ。それこそ、今回出会ったムロ(ツヨシ)さんや愛理ちゃんもそうですし、古田(新太)さんと田中(圭)さんにも違う作品の時に弱いところを見せているんです。でも、そういう時は周りの人たちの姿を見て、知らないうちに乗り越えているようなところがありますね。
それと、いろんな映画や音楽に触れてワクワクしてきた身としては、少しでもそういうエンターテインメントに恩返しをしたい。その思いが一番のモチベーション。自分が好きなものや大切なもののために一生懸命やっていれば、自然と壁を乗り越えているような気がします」
渡辺さん演じる柳直樹が主人公、鈴木さん演じる吉村美月も活躍するスピンオフ「犬たちの午後」が、ひかりTVにて配信中。かわいいと話題のチワワの"昌三さん"と、スナック来夢来都のめぐみ(森田望智)が連れてきたトイプードル・コニーちゃんを巡り、大騒動に!? さらに、柳と美月とめぐみの恋の三角関係も描かれる!? こちらもドラマ本編とともにお楽しみください!
詳細はこちら!
狛江は部下・美月に誘われ舞い上がり...
8月9日(金)深夜0時12分放送の第5話は? サラリーマンとヤクザの地獄の二重生活を送る狛江光雄(ムロツヨシ)。新規の仕事を取るため難攻不落の大手銀行へ営業に行くと、なぜかそこで竜崎(田中圭)と遭遇し......!
第5話
上司(相島一之)から、新規の仕事がなければ阿修羅支店は閉鎖と言われ、難攻不落の大手銀行に営業へ向かう狛江(ムロツヨシ)。銀行で竜崎(田中圭)が支店長といるのを目撃してしまう。しかも、そこに岩切(古田新太)も現れ一触即発に......。そんな中、狛江の心のオアシス、部下の美月(鈴木愛理)から相談があると言われ、舞い上がる狛江。一方、柳(渡辺大知)はスナック来夢来都のめぐみ(森田望智)に夢中で......。
【番組公式Twitter】@tx_Iturn
【番組公式ホームページ】https://www.tv-tokyo.co.jp/iturn/
番組情報INFORMATION
2019-07-25 「いいね」なんていらない! アウトロー作家・福澤徹三に聞く、自分を取り戻す「Iターン」三か条
「Iターン」とは? 「Uターン」が地方から都市部へ移住した者が再び地方の生まれ故郷に戻ることであるのに対し、出身地とは別の地方に移り住むこと、特に都市部から田舎に移り住むこと。そして「Iターン」とは、「I(=自分)を取り戻す」ことでもある。
7月スタートのドラマ24「Iターン」(毎週金曜 深0時12分放送)は、ムロツヨシ、古田新太のW主演で、福澤徹三の同名小説を原作に映像化。45歳のサラリーマンが左遷同然の単身赴任先で、2人のヤクザの組長に翻弄されながらも"I(自分)"を取り戻す姿をコミカルに描く。
この「Iターン」をはじめ、同枠でドラマ化された「侠飯」や、「白日の鴉」「すじぼり」などアウトロー、ホラー、警察ものなど幅広く手がける作家・福澤徹三氏をインタビューした。
自分を取り戻せ! 「Iターン」のための三か条
周りに流されず、「Iターン(=自分を取り戻す)」ためには、どうすればいいのだろうか。作家デビューするまでに営業、飲食、アパレル、コピーライター、デザイナー、専門学校講師など20種類以上の職業を経験してきた福澤氏に、「Iターン」のための三か条をうかがった。
【その一】まじめに考えすぎるな!
そもそも"まじめ"ってなんだ?
「まじめにコツコツやればなんとかなるっていうのは昭和の価値観だったんですが、終身雇用も年功序列もとっくに崩壊しています。時代はもはや令和で、まじめにコツコツやってもうまくいくとは限らないのは、ぼくを含めた中高年を見ればわかります(笑)
けれども現代は不寛容社会といわれるように、ささいな発言や行動をあげつらう。政治家はおろか、お笑い芸人にまで品行方正であることを要求する。つまりその人物の能力よりも"まじめ"かどうかが評価の基準になっているんです。
"まじめ"には真剣や誠実といった意味がありますが、なにを基準にそれを判断するのか曖昧ですね。ほんとうに真剣で誠実かどうかは本人にしかわからない。あいつはまじめだとか、ふまじめだとかいうのは他人の評価です。他人の評価なんて人それぞれの受け止めかただから、好悪や快不快といった感情的な判断も混じります。だから"まじめ"は狭量になる」
ネット社会に疲れた人、身の回りに目を向けよう
「自分が"まじめ"だと思っている人は自分が正義になりがちで、異なる意見は敵とみなします。みな敵にはなりたくないから、他人の評価を気にします。したがって『いいね!』を欲しがる一方で、炎上を恐れる。メディアも匿名の意見に忖度するから、世の中全体が萎縮してしまう。誰もが"まじめ"に考えすぎて、顔の見えない相手に縛られている。ネット社会に疲れた人はもっと気を楽にして、身の回りに目を向けたほうがいいんじゃないでしょうか」
【その二】会社にしがみつくな!
「会社のために......」はナンセンス
「ぼくが勤めた会社は上場企業を含めて10社以上ありますが、いま残っている会社は1社もない。ぜんぶ潰れる前に辞めましたから、まったくダメージはない。でも当時の上司や同僚たちは、みな不遇な状況に陥りました。彼らは最後まで会社を信じていましたが、首尾よく転職できたのは上層部の人間だけです」
会社のためではなく、自分のためにがんばる
「会社は働く場であって、仲間を作るところじゃない。ひとつの会社にしがみつかないで、そこで培ったスキルを次に生かせばいいんです。もし会社にしがみつく気なら、上司や同僚を抱き込むくらいの強さが欲しい。会社のためではなく、自分のためにがんばるからこそ、やる気も出てくる。そういう意味では他人を気にせず"自己チュー"でいいんじゃないですか」
【その三】他人に期待するな!
他人に期待するから自分が傷つく
「会社に限らず、誰かのためだと思って辛抱するのはストレスが溜まります。誰かのためにがんばっているのに、その誰かが思いどおりにならないと腹が立つ。要するに、他人に期待するから自分が傷つく。結果として、誰それが悪いとか世の中が悪いとか愚痴をいう。ネット上にはそんな声があふれていますが、誰かに同意してもらっても日常生活は変わりません。
他人に期待して傷つくくらいなら、自分の好き勝手に生きてみればいい。ぼくなんか好き勝手に生きてますから、誰のせいにもできない。なにがあろうと、ぜんぶ自分のせいだから気が楽です。だからといって人間はひとりじゃ生きられません。ビジネスにおいてもプライベートにおいても、信頼関係は大事です」
信じるとは賭けることだ
「ただ信じるとは賭けるということです。賭けには、むろん期待がともないます。誰かに期待を裏切られた......すなわち賭けに負けたからといって、その人を怨むのは筋がちがう。自分に見る目がなかったと反省して、懲りずに誰かを信じればいい。無理に他人を変えるより、自分を変えるほうが簡単でしょう。早い話が楽な生きかたを推奨します(笑)
さまざまな経験をしてきたからこその福澤氏の言葉。周囲に流され、勝手に期待し、誰かのせいにするのではなく、自分を信じ、自分で決断し、自分から行動する。それが自分を取り戻す「Iターン」なのだ!
「Iターン」に込めたテーマとドラマ化への思い
7月スタートのドラマ24「Iターン」(毎週金曜 深0時12分放送)。広告マンとヤクザの二重生活を送ることとなる巻き込まれ型の主人公・狛江光雄をムロツヨシ、義理と人情を重んじる昔かたぎのヤクザの組長・岩切猛を古田新太が演じ、「下衆の愛」(2016年)「獣道」(2017年)の映画監督・内田英治が全話の脚本・監督を務める。今回のドラマ化にあたり、原作者である福澤徹三氏に思いを聞いた。
――まずは、『Iターン』のドラマ化についてのご感想を。
「ぼくの小説はヤクザが出てくるものが多いんです。過去にもテレビドラマのオファーはいくつかあったんですが、いまどき地上波でヤクザは流せないという理由でボツになった。だったら限りなくヤクザに見えるけど、実は違うってキャラならいいだろう(笑)。そう考えて書いたのがテレ東さんでドラマ化していただいた『侠飯』です。
だから『Iターン』のオファーがあったときは、絶対無理だと思いました。『Iターン』はヤクザの組長がメインキャラですからね。ところが予想を裏切ってドラマ化された。さすが時代に忖度しないテレ東さんです(笑)」
――『Iターン』という作品のテーマや、この作品を通じて伝えたかったことは?
「いまの時代は、ぼくが育った昭和のようなおおらかさがない。昭和にくらべて街は清潔だし、人は健康で"まじめ"になったけれど、正論ばかりがまかり通るせいで窮屈じゃないでしょうか。ネットやスマホといったコミュニケーションツールは豊富なのに、人間どうしの生身の触れあいも減りました。小学生が事前にアポをとって遊ぶくらいですから(笑)。そういう現代に、昭和から抜けだしてきたようなヤクザをぶつけてみたのが『Iターン』ですね。
主人公の狛江は平凡なサラリーマンですが、上司からいびられて左遷されます。しかし狛江は、組長の岩切から無理やり企業舎弟にされて人生観が変わっていきます。正義を貫いて破滅するか、悪に手を染めても生き延びるか。そんな選択を迫られて狛江は苦悶しますが、読者には狛江や岩切の活躍を通じて、窮屈な時代の憂さを晴らしていただければと
――狛江役のムロツヨシさん、岩切役の古田新太さんについてはいかがですか?
「おふたりとも個性的ですばらしい演技力をお持ちですから、どんな狛江と岩切が観られるか、すごく楽しみです。ただ地上波ではタブーのヤクザものですから、"まじめ"な視聴者からクレームがくるかも(笑)。出演者のみなさんやテレ東さんに、ご迷惑がかからないか心配です」
福澤氏はドラマにもカメオ出演!(衣装も自前) これまでにも「侠飯~おとこめし~」など自身の原作ドラマに出演経験があり、ドラマの現場は慣れたもの。撮影の合間もリラックスした雰囲気でスタッフや共演者と談笑。どんな役でどのシーンに登場するかは、第5話の放送をお楽しみに!
【福澤徹三(ふくざわ・てつぞう)】
1962年、福岡県北九州市生まれ。作家。2000年、『幻日』(後に『再生ボタン』と改題)で作家デビュー。2008年、『すじぼり』で第10回大藪春彦賞を受賞。ドラマ化された『侠飯』シリーズ、『白日の鴉』、映画化した『東京難民』をはじめ、ホラー小説や怪談実話、アウトロー小説、警察小説まで幅広く執筆。『Iターン』(文春文庫刊)は第3回エキナカ書店大賞受賞、続編となる『Iターン2』(文春文庫刊)も好評発売中。現在、コミカライズ(漫画:大槻閑人)が週刊モーニング/Dモーニングで連載中。
美人ママとのトラブルに部下との禁断の恋!?
7月26日(金)深夜0時12分放送の第3話は? サラリーマンとヤクザの地獄の二重生活を送る狛江光雄(ムロツヨシ)。借金が返せない狛江に岩切(古田新太)がキレる!? 麗香(黒木瞳)を巻き込み、大騒動に!?
第3話
岩切組への迷惑料500万円の金策に苦戦する狛江(ムロツヨシ)は、岩切(古田新太)に言い訳するが......。岩切は狛江が営業をかけている百貨店の情報を知り、とんでもない提案を持ち掛ける。スナックの謎多き美人ママ・麗香(黒木瞳)も巻き込み、事態は狛江も予想していなかった展開に!? そんな中、竜崎(田中圭)から借金が帳消しになる甘い誘惑が...。悩みが尽きない狛江に部下の美月(鈴木愛理)との禁断の恋の予感......!?
番組情報INFORMATION
2019-07-18 二人の先輩俳優から学んだ謝罪の仕方とは!? ムロツヨシ流 人生のピンチの乗り越え方
ドラマ24「Iターン」(毎週金曜 深夜0時12分放送)は、ムロツヨシ、古田新太のW主演で、福澤徹三の同名小説を映像化。45歳のサラリーマンが左遷同然の異動による単身赴任先で、会社員とヤクザの二重生活を送ることに。2人のヤクザに翻弄されながらも"I(自分自身)"を取り戻す(ターン)姿をコミカルに描く。
これでもか!というほどピンチに巻き込まれる"日本一不幸な男"を演じるムロツヨシさんに、ご自身の人生における大ピンチと、その乗り越え方を聞いてみた。
ムロツヨシ流 人生のピンチの乗り越え方
――今回、ムロさんの演じる主人公・狛江光雄は、次々に"人生最大の大ピンチ"に遭遇し、とんでもないことに巻き込まれていきます。ムロさんご自身が体験した"大ピンチ"は? それをどう乗り切りましたか?
「僕が作・演出の4人舞台で、ある役者が完全にセリフを忘れてしまったときは、かなりのピンチでしたね。彼がしゃべらないとストーリーが進まない状況の中、全然セリフが出てこない。そのシーンは僕の出番はなかったので、舞台袖から見ていることしかできなくて。時間は1、2分でしたが、ああいう時の間ってすごく長く感じるんですよね。お客さんも『どうしたんだ?』となりますし(笑)。
その役者はステージからハケて、楽屋で必死に台本を読んで確認するのですが、手が震えちゃってて。でも、大変なのは、舞台上に一人取り残された共演者の方で。2分ぐらいの妙な間の後に、一人で舞台に立っていなきゃいけないわけですから。そんな二人を見ながら『明日は我が身だなぁ......』と思いました(笑)。
そういう時に僕ができることといったら『落ち着いてください』『まぁ、何とかなりますよ』と声を掛けて落ち着いたフリをするだけ。その後、セリフを頭に入れた彼が何とかつないでくれまして、その後の僕の出番で『おい、大丈夫か?』と言っただけで笑いが起きました(笑)。
そういう経験をしたことで、"物事というのは何とかなるもんだ"ということを勉強させていただきました。役者をやっていると、こうしたピンチはたくさんあるので、動揺を表に出さない訓練は積んでいますし、上手く隠すやり方もいろいろ身につけております(笑)」
――劇中で狛江はとにかく"土下座"でなんとか切り抜けようとしますが、ムロさん流の"謝罪の仕方"は?
「謝り方というか場が収まるという意味では、僕が関わっていないケンカの場合は、とにかくずっと笑っています。そうするとケンカをしている方がバカらしく思ってくれるので。
自分が当事者の場合、例えば、お酒の席でかわいがっている後輩に言いすぎたり、イジリすぎたというときは、翌朝の8時台に連絡をします。『昨日は飲み会に来てくれてありがとう。また、飲もうね』と。
これは"ある二人の先輩"のマネをしているんですが、やっぱり朝イチが大事なんでしょうね。お昼じゃダメみたい。後輩が9時頃起きたら、先輩からすでに連絡が来ている。これがポイントらしいんですよ。
ある先輩とは、阿部サダヲさんと荒川良々さんなんですが、お二人はいつもそうですから(笑)。かなりムチャぶりされた飲み会でも、お二人からそういう連絡があったら嫌いになれないですよね(笑)」
取材部屋へ現れたムロさんは、集まった取材陣と目の前に並べられたICレコーダーの数に「こんなにたくさん!」と驚きの声をあげ場を盛り上げ、取材陣の遠慮からか最初の質問が出るまでにちょっと間が空いた時は「ないってことでよろしいでしょうか?(笑)」と空気を和ませてくれました。明るく楽しい人というイメージそのままのムロさんですが、今回演じる狛江は脅されたり殴られたりとピンチの連続。そんな狛江が、ダメな自分と向き合いながら少しずつたくましくなっていく姿に勇気づけられること間違いなし!
地獄の二重生活......あっという間に500万の借金!
7月19日(金)深夜0時12分放送の第2話は? ついに始まるヤクザの舎弟と会社の奴隷という地獄の二重生活。命がけで犬の世話!? 売り上げ10倍のノルマ!? さらには甘い罠まで......。どうなる!? 狛江!
第2話
上司の高峰(相島一之)から大手百貨店の広告を受注しろという命令を受けた狛江(ムロツヨシ)は、部長の深町(木下隆行)を訪ね、接待のチャンスを得るが...。
一方、岩切(古田新太)からは組の仕事を押し付けられ、会社員とヤクザの多忙な二重生活が...。
しかも、あっという間に500万の借金が...!
そんな中、ヤクザとして美人ママ・麗香(黒木瞳)が経営するスナックのケツ持ちをする羽目に! 危険な任務の内容は!?
番組情報INFORMATION
2019-07-11 ムロツヨシ「『勇者ヨシヒコ』は『こんなの誰が見るんだ?』と思ってました(笑)」
7月12日(金)スタートのドラマ24「Iターン」(毎週金曜 深夜0時12分放送)は、ムロツヨシ、古田新太のW主演で、福澤徹三の同名小説を映像化。45歳のサラリーマンが左遷同然の異動による単身赴任先で、会社員とヤクザの二重生活を送ることに。二人のヤクザに翻弄されながらも"I(自分)"を取り戻す姿をコミカルに描く。
次々にピンチに巻き込まれる主人公・狛江光雄を演じるムロツヨシさんをインタビュー。ドラマの見どころや、共演の古田新太さん、田中圭さんについて、そして誰よりも"ドラマ24"に出演経験があるからこそ感じる同枠の魅力と、知られざる事情(?)をうかがった。
伊丹十三作品のように......やりすぎが世界観にハマる
――今回演じる狛江は会社員とヤクザの二重生活という地獄のような日々を送ることになります。最初にオファーを受けた時の感想は?
「まず最初に原作を読みました。哀れだけど、なぜか憎めない主人公のお話。いろんなことに振り回されている狛江の姿は自分と重なるところもあったりして。痛快で楽しくて、とても読みやすい小説だと思いました。
加えて、内田(英治)監督の過去の作品を拝見して、この方が撮ったらどんな風になるんだろうという興味もありました」
――狛江を演じる際に、内田監督からリクエストされたことはありますか?
「『見ている方たちが思う"ムロさんっぽく"やってほしい』と言われました。その後の舵取りは内田監督がしてくださったので、結構好きにやっていたような気がします。
たまたまクランクインの前に伊丹十三監督の映画『タンポポ』を観たのですが、撮影が始まってすぐ、内田監督がボソっと『伊丹作品みたいにできたらいいなと思っているんです』とおっしゃったんですよ。不思議な縁を感じましたし、本作をどう撮るのかイメージも涌きました。
伊丹作品は、よく見るとみなさんの芝居が濃くて、中にはちょっとやりすぎかなという人もいて(笑)。でも、なぜか"伊丹ワールド"の中では、すごくリアリティーがある。そういう思いが内田監督と一致したのはうれしかったですね。
今回、僕が演じる狛江を含め、みんなやりすぎていると思います(笑)。ふざけて小声で芝居したところも使われていたりして。これは内田監督の脚本がしっかりしているからこそですが、不思議なぐらい作品の世界観にハマっていると思います」
――狛江という男は、どのように捉えていますか?
「最初は見ていてイライラすると思います。家族から距離を置かれ、会社からも見放され、誰からも期待されない。自分に対してあきらめてしまっているところがある男です。でも、そんな狛江がひょんなことからヤクザになったりして苦しい日々を送る中で、このままではいけない、自分を変えなきゃいけないと思い始めるんです。それに気付くことができるのは、素敵なこと。いくつになっても自分は変われる、変えなきゃいけないと思わせてくれるところが狛江の魅力だと思います」
――内田監督から「いつものムロさんっぽく」というリクエストがあったとのことですが、役作りはどのように?
「狛江は受身の役。みんなに振り回されても何も言い返せない男なんです。そういうことを踏まえた上でいろいろ考えた結果、"役作りはしない"ということになりました(笑)」
古田新太は殴りのプロ!? 田中圭は「いい顔しているな」
――狛江と、彼を振り回す二人のヤクザの親分の関係が見どころです。義理と人情を重んじる昔かたぎの組長・岩切猛を演じる古田新太さんの印象は?
「20年ぐらい前、僕が定員100人にも満たない小劇場でお芝居をやっていた頃から、古田さんは劇団☆新感線はもちろんのこと、野田秀樹さんの作品にも出演されている憧れの存在で。いつか古田さんのように大きな舞台に立ちたいと思っていました。
その古田さんと、今回『Iターン』という看板を一緒に背負わせていただくことになり、言葉では言い表せないような喜びでいっぱいです。20年前の自分に教えてあげたいと思いながら、毎日撮影現場にいました」
――そんな"憧れの人"古田さんと共演した感想は?
「古田さんは、誰かを褒めるような人ではないんです。でも、5、6年前、僕が舞台で大人計画の皆川猿時さんに何度もぶたれるシーンを見て、古田さんはゲラゲラ笑ったそうで、『普通、殴られるシーンは1回目は笑えても、2回目はかわいそうに見えるから笑えないけど、なぜがムロはかわいそうに見えない。何度でも笑えるのはすごいことだ』と褒めていただいて。
だから今回、狛江が岩切に殴られるシーンを追加してもらいました。内田監督は喜んで僕のアイデアを受け入れてくれましたし、古田さんも無言でうなずいていました(笑)」
――古田さんから殴られるシーンは痛かったですか?
「やっぱり古田さんは上手いんですよ、殴るのが(笑)。お芝居の上で『殴ることに迷いがない』と言っていました。迷いがないから、殴った時の音の出し方も素晴らしいんです。プロですね(笑)」
――そしてもう1人、インテリヤクザの組長・竜崎剣司役の田中圭さんとの共演はいかがでしたか?
「圭くんと本格的にお芝居をしたのは今回が初めて。本番中、近くで見て、『いい顔しているな』『いい声だな』と思っていました(笑)。竜崎はちょっとゆっくりめの芝居で、いい間でしゃべるんですよ。
岩切と竜崎は正反対のタイプで、岩切は思ったことを全て口に出すけど、竜崎は何を考えているのか分からない。狛江からすると、竜崎の方が怖かったんじゃないかと思います」
誰よりも"ドラマ24"を知る男が物申す!?
――前クールの「きのう何食べた?」も話題を呼んでいるテレビ東京の"ドラマ24"という枠について、どんなイメージを持っていますか?
「僕は、連ドラの初レギュラーが『2ndハウス』で、それから『Xenos - クセノス』、『勇者ヨシヒコ』シリーズ、『アオイホノオ』など、"ドラマ24"に、おそらく一番出演している役者なんじゃないかなと思っています。
ドラマの枠としては、挑戦的。新しいことから生まれるものを信じる姿勢が素敵だなと思います。『Iターン』は全て撮影した後に放送で、『勇者ヨシヒコ』も同じでした。『勇者~』は、最初はみんな撮りながら『こんな作品誰が見るんだ?』『撮ったもん勝ちだ』と思っていましたからね(笑)。まさかあんなに話題になるとは、正直ビックリしました。だから『Iターン』も視聴者の方にどう受け止めていただけるのか、すごく楽しみです。
ただ、どの作品もスケジュールがキツイ(笑)。ひとつリクエストがあるとしたら、あと2週間ぐらい撮影スケジュールが増えると、いろいろ楽になるのかなと。よろしくお願いします(笑)」
ついに地獄の二重生活が幕を開ける!
ドラマ24「Iターン」は、7月12日(金)深夜0時12分スタート! 第1話では、左遷された崖っぷち会社員がヤクザの舎弟に!? 狛江光雄45歳! 仕事も私生活もピンチの連続! 曲者ぞろいの街で生き残れるか? 地獄の二重生活が幕を開ける!
第1話
広告代理店の営業マン・狛江光雄(ムロツヨシ)は、上司の怒りを買い、最果ての街に左遷され単身赴任することに!結果を出して本社に返り咲く為、たった2名の社員と共に貧弱支店の立て直しを図る。そんな中、新規の広告でありえないミスが...!その相手はこの街の二大ヤクザの一つ、竜崎組の会社だった!社長の竜崎(田中圭)に呼び出され大ピンチ!さらに、対立するヤクザ・岩切(古田新太)も怒鳴り込んできて絶体絶命!
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